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2016-11-22

Art Work, スタッフブログ, 原宿サロンよりお知らせ

ロンドン最高峰サロンのトレンドヘアの作り方!最新コレクションのインスピレーションは1人の天才画家だった!!

最新コレクション、ドュアリティーコレクションの25ルックは、この1年間、たくさん撮影をしたものの中から良いスタイルをチョイスしてできたものだ。それを、3つのカテゴリーに分けている。
最新コレクションの概要

この仕組みが今までのコレクションと違うというのは前回も話したが、その考え方には、ちゃんと根源がある。

今回はそのコレクションのインスピレーションについて。

『トリプティック』
という言葉を知っているだろうか?

アートの世界ででよく使う言葉だ。

日本語で、三連祭壇画(さんれんさいだんが)

triptych(トリプティック)は、tri(3つ)+ptyche(折り重なる)という意味で、3つの部分から分けられた絵画、3枚の内容には関連性がある絵画という意味。

このトリプティックという3枚続きの描き方は、初期キリスト教美術から発生し、それが標準フォーマットとしてある。

キリスト教が真ん中にいてその両サイドが誰なのかというところから3枚(人)の関連性をモチーフにきている。

TONI&GUYの今回の最新コレクション「ドュアリティ」は、このトリプティックという3つの角度からものを見るという着想から作られている。

神(キリスト)と髪。日本語だと、またなんか特別感がでる。

さらにこのトリプティックという描き方で天才的な画家がいる。


フランシスベーコン

彼が今回の最新コレクションの最重要人物である。

彼が描くトリプティックは、他の画家と少し違う。

どう思うかは人それぞれだが、その違いが世界的に評価されている。

ベーコンの描き方は、3つの角度という見方を目で見る正面、横、後ろのような視点だけではなく、感情や、時間、連続性など、モチーフの変化や順序を描き出しているのだ。その見たものを1枚の絵にして描いている。

3つの違った感情を表している絵

彼の作品は本当にすごい。
なんというか心の底の負みたいなものを無心で描いたような。
ゆえに怖い。とても惹きつけられ、僕も大好きだが、本当に怖い。

そんな彼の歪んだ作品の中にこのトリプティックで描かれたものが何点もある。

彼のルーツを少し知るだけで彼が描いた作風にも納得してしまう。

例えば、パートナー。
初期の愛人としてよく知られているのは元パイロットのピーター・レイシー。ピーターは暴力的でベーコンの作品を引き裂いたり、酒で酔っぱらってフランシスを殴り倒し、路上にほぼ気絶状態の彼を放置したりしたそうだ。初期のベーコンはマゾヒストであった。

そして最も有名なパートナーがジョージダイアー。
天井から落ちてきたダイアーをご存知だろうか?


ベーコンが55歳の時、当時住んでいたアパートに泥棒が入った。だが、その泥棒は、アトリエの天井から落下してしまい、ベーコンにバレてしまう。

しかし、落ちてきた泥棒に一目惚れをしたベーコンは、警察に突き出す代わりに愛人になれと言った。それが、ジョージダイアーだ。
この出会いがマゾヒストからサディストへと変わるタイミングだ。

しばらくは楽しい生活が続いたがそれもつかの間、

ダイアーはベーコンと出会う前は下層社会で暮らしていた為、ハイカルチャーな富裕層の世界に馴染めず、周囲からの視線に耐えられなくなってくる。

 

その結果、アルコール依存症になり、薬物中毒にもなってしまう。ベーコンも周囲のセレブ達に迷惑をかけはじめている制御できないダイアーを遠ざけるようになった。
そして、1971年10月、パリのグランパラで開催されたベーコンの回顧展。ベーコンは人生で1番の脚光を浴びた。そんな栄光の日になるはずだった同日に、ダイアーは、招待されたホテルで睡眠薬を大量に飲んで自殺。

 
この騒動でサディストだったベーコンはさらに壊れていき、その後苦しみながら悲しみながら描き続けた。


この壮絶さは全く別として、ベーコンが描くいろんな感情からの捉え方というのは、今回のコレクションのインスピレーションとしてとても良いモチーフとなった。

最近、トリプティックな思考を持ちながら仕事をしている人が周りでも増えてきているなと感じる。

自分の意見、相手の意見、第三者の意見を同時に考えられる人財。どんなジャンルの仕事をしたとしてもきっと優秀な成績を収めるだろう。
これも3つの全く違う角度から物事を考えるトリプティックである。

 
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